私と陛下の後宮生存戦略
【皇帝の『最愛』に選ばれたのは――五十番目(※最下級)の妃!?】
あるてぃ (著), かざなみ (その他), ゆき哉 (その他)
あらすじ
若き賢帝の唯一の妃『最愛』を決めるため、後宮に集められた妃達。その中で最も格下の五十番目の妃ソーニャにはある秘密があった。《死ぬと時間が戻る》秘密のおかげ(せい)でソーニャが皇帝の『最愛』に!?「死ぬな 私のために生きろ」これって求婚? 命令?【死に戻り禁止】の後宮攻略ストーリー開幕!!(Amazonより抜粋)
感想
西洋風なのか、中華風なのか。西洋と中華が折衷ってどう表現するのか。
・・・西洋風でほんのり中華風です。
コミックスの方は、全二巻で完結している作品です。
(WEB小説のほうは、かなりな長編でした)
死ぬと時間が巻き戻る、死に戻りな作品ですが、ドロドロはしてなくて、コメディ寄りですね。
元凶のソーニャが死に戻ると、周りも同じように時間が巻き戻るのだけれど、その能力の干渉を受けない「皇帝」だけは、ソーニャが死に戻るたびに、同じ時を繰り返しているという実感があった・・・。という・・・。
何度も何度もいつ終わるのかわからないような同じ時を繰り返すと、普通なら精神に異常をきたすと思うのだけれど、さすがはメンタル強強の皇帝。あらゆることを習得することにして、有効に巻き戻りを・・・決して楽しんではいないけれど受け入れていました。
でも限度がありますね。
時を戻せるということは実に素晴らしいことだ。誰だって一度はやり直したいことがあるだろう。 しかし自分の望まぬタイミングで同じ時を繰り返すのは、もはや苦痛でしかない。しかも、それがいつ終わるかも分からないのだから、最悪だ。 おそらく、きっと、このループは今後も定期的に続いていくことになる。そのような予感がひしひしとエルクウェッドはしていた。 この先、自身の精神が持つのだろうか……。(WEB版より抜粋)
いくらなんでも巻き戻しすぎだろうがあああ!!!
限度というものを知らんのか!!!
ふざけるなよ、貴様ああああ!!!・・・という雄叫びがたびたび。
巻き戻りで皇帝が習得したスキルは実に多岐に渡っていて、すごかったです。
武芸、学問、舞踏、料理、芸術、医術、なぜか化粧スキル、害虫駆除スキル。
そのすべてが達人級。
時間巻き戻りの犯人を探すべく尽力し、ようやく探し当てたソーニャを死なせない(時間を巻き戻らせない)ために奮闘する物語です。
いや・・・皇帝のメンタルが強くて良かった!!!
そして命を落とすことに慣れきってしまっているソーニャも普通ではありません。
シリアスにもなれる題材で、果てしなくドロドロできそうなのだけれど、皇帝の性格が救いでしたね。
恋愛もの・・・なのか?ロマンチック〜っていう場面は皆無だったような。
だがそこが良いです。
元凶を突き止めたらぶっ飛ばす!!つもりだった皇帝。
でもソーニャにもソーニャの事情があって。
不幸になる隙もないほどに人生をかけて幸せにする!!!と決心する皇帝。
すてきな決意なのだけど、甘さのかけらもない真顔なところが良いです。
「よし、ちゃんと生きているな、偉いぞ」
生きているだけで(精神的にも物理的にも)ありがたい存在のソーニャちゃんです。
そして私は、割と宰相も好きです(突然ですが)。
真面目に考えると細かい呪いと祝福多すぎて大変な世界線ではあります。
