金の国 水の国
岩本ナオ (著)
あらすじ
昔々、隣り合う仲の悪い国がありました。毎日毎日、つまらないことでいがみ合い、とうとう犬のうんこの片づけの件で戦争になってしまい慌てて仲裁に入った神様は2つの国の族長に言いました。A国は国で一番美しい娘をB国に嫁にやりB国は国で一番賢い若者をA国に婿にやりなさい―――そんな中、A国の姫・サーラはB国の青年と偶然出会い…!?(Amazonより抜粋)
感想
上質なおとぎ話。
1冊で見事に完結しているすてきなお話。映画にもなるわけですね(映画はまだみてません)。
A国は発展しているけど、すでに資源が枯渇しそうな国。
B国は貧しいけれど、資源豊かな国。という設定。
出てくる人たち、根っからの悪人はいないところも良いです。
私は、お話の中に出てくる建築家のアジーズさんの
開戦派の資源豊かなB国を占領して移り住むなんて考えは全くもってナンセンスだ僕が この国の建築をどれだけ手がけたと思ってるんだ僕は千年先まで 僕の建築に 人をあふれさせなきゃならんのよ
というセリフがとても心に響きました。
住む土地住む土地枯渇したら、別の土地を侵略してまたダメになったら別の土地へ、なんて生き方は、美しく無い生き方だと思います。恨みもたくさん買うと思いますし。
千年先まで僕の建築に人をあふれさせる、というアジーズさんの思いは、とてもシンプルだし、美しいと思いました。
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